音楽サークルで使えるエレキギターの取り扱い方~ミュージックレポート

東京の音楽サークルを紹介するミュージックレポート

エレキギターの入門

最近、エレキ・ギターを買って練習を始めたばかりの 人たちがまず最初に悩むことは、どうも演奏テクニック 上のことだけではないようです。「チューニングのしかた がよくわからない」とか「弦の交換をしたけど、どうも おかしい」とかの質問をよく受けるのです。以前はあま りそういうことはなかっただけに、私もこれはお かしいと思っていたのですが、よく考えてみるとその理 由がわかって来ました。チューニング・ロック式やフロ ーテインク式のトレモロ・ユニットの普及をはじめとし て、エレキ・ギターというものの機構や機能が複雑にな ってきて、しかもメーカーによって色いろなシステムが あるため、従来の教則本などに書いてあるような説明だ けでは、まったく不充分なのです。 しかも、慣例的にギターには取扱い説明書のようなも のは付属していないのが普通です。これではビギナーの 人が迷ってしまうのも無理はありません。それどころか、 バリバリのプロ・ギタリストでさえ、ギターの正しい使 い方を知らずに、なんとなく経験的に覚えた方法でやっ ている人もいるようです。 そこで新しい時代のギターやアンプ、エフェ クターなどに対応した最新の使いこなしの方法を紹介す ることにしました。特に「取説」のないギターそのもの に関しては、なるべく具体的に、詳細に書いたつもりで す。これによってみなさんは少しでもムダな苦労をしな いで、練習に専念できることでしょう。また、正しく調 整された楽器の“弾きやすさは、みなさんの上達のス ピードを速めるはずと確信しています。

ネックはギターの命

ネック部分はギターの弦の振動全体を支え、フレット によって音高を決定するという大切な役目を持っていま す。このため、丈夫で狂いの少ない木材を使うと同時 に、内部にはアジャスト・ロットという鉄棒を埋め込ん で、狂いを補正する構造になっています。 ネック表面にフィンガー・ボードを貼り付けてある夕 イプと、ネック全体を1本の木から作ったワンピース構 造のものがあります。フィンガー・ボードにはフレットが埋め込 まれています。フレットはその間隔によっ て音程を決定付けるので、正確な位置になけ ればいけません。また、フレットの高さが 不揃いだったり、長期間の使用で減ってきた りすると、音がカスレてしまうなどのトラブ ルの原因になります。 ネックとボディの継ぎ目は、図1-4のような3つの夕 イプがあります。ディタッチャブルネック以外は木 工技術と接着剤を使って接続されています。ネックに 強い衝激や無理な力を加えると、狂いが生じたり、破損 したりするので充分注意しましょう。

コントロール・ノブとスイッチ類

コントロール・ノブはボリューム(音量)の調整、 音質の調整のためのものですが、楽器の種類によってそ の数や配置はさまざまです。ノブ(ツマミ)自体に “VOLUME”や“TONE”と書いてあるものは問題ありませ んが、特に指示のない場合は、原則として手元に近い方 がリューム、遠い方がトーン(音質)と考えてくだ さい。ボリュームやトーンが2個以上ずつある場合、 その構成は色いろなので、実際に演奏して試してみるか、 カタログのスペックで確認しましょう。 レスポール・タイプで、ピックアップをフロントとセ ンターをミックス使用した場合、ボリュームとトーン はどちらのものを使っても有効です。ストラトキャス ター・タイプのフロントとセンターのミックス使用でも、 トーンに関しては同様です。ストラト・タイプの「マ スター・ボリューム」はすべてのピックアップに働き ます。

弦にもいろんな種類がある

エレキ・ギター用にはスチール製の弦が使われますが、 その太さや構造でいくつかの種類があります。 ブレイン弦は単純な1本の鋼鉄弦で、普通1~3弦に 使われます。ワウンド弦は1本の芯線に別の細い線を 巻き付け、全体としてブレイン弦よりも太くしたもので、 普通4~6弦に使われます。 ゲージには太い方から順にヘヴィ、ミディアム、ライ ト、エキストラ・ライト、ウルトラ・ライトなどの種類 がありますが、現在ロック・ギター用として一般的なの は1弦の太さが0.01インチ(約0.25ミリ)以下の、エキ ストラ・ライトやウルトラ・ライト・ゲージで、ライト ・ゲージもたまに使われますが、ミディアムやヘヴィは まず使われていません。ライト・ゲージには3弦がワ ウンド弦のものもありますが、エレキ・ギター用ではブ レイン弦を使います。 細い弦ほどテンション(弦の張力)が弱くなるため、 チョーキングなどがやりやすくなります。逆に太い弦 ほど正確な音程を保ちやすく、張りのある音色になりま す。ヘヴィ・ボトムといって、1~3弦には細目の弦、 4~6弦には1~2クラス太目の弦を使ったセットもあ ります。 ピックアップ(ピックアップ)は、ギターの弦の振動を電気の 信号に変換する大切なパーツです。現在エレキ・ギタ ーに使われているピックアップは、ほとんどが磁気の変化によっ てコイルに発生する起電力を信号とする「電磁変換弍」 と呼ばれるもので、まれに「ピエソ・タイプ」という圧 電式もあります。電磁変換弍はそのコイルの数によっ て、シングル・コイル型とハムバッキング(ダブル;゛コ イル)型に分けられます。

シングル・コイルとハムバッキングの音色

シングル・コイル・タイプのピックアップは、一般的に高音域 の伸びが良く、クリアーで繊細な音色になります。し かし、誘導ノイズ(いわゆるハム)を拾いやすいという 欠点があり、特に大音量を必要とするロックの場合、明 らかに不利と言えます。ハムバッキング・ピックアップは、磁 極が反対のシングル・コイル・ピックアップを2惱並べて(電気 的には同極性の直列接続)おくことで、誘導ノイズだけ をお互いに打ち消し合うようにしたピックアップです。シング ル・コイルに比べてコイルの巻回数が多くなった分出力 が高く、パワフルな音になりますが、高音域があまり伸 びないという弱点もあります。これらのメリット、デ メリットは必ずしも決定的なものではないため、現在で はプレイヤーの好みや曲調に合わせて両方のピックアッ プが使われ、1本のギターに両者をマウントしたギター も多用されています。 アクティヴ型ピックアップが最近増えて来ましたが、 これは基本的には電磁変換型ピックアップであることに変わりは ありません。普通のピックアップと大きく違うのは一種のプリ アンプ(増幅器)が付いている点で、次のような長所が あります。 逆に問題点はバッテリーなどの電源が必要なことと、 音色のキャラクターの設定が無味乾燥になりがちなこと です。

ピックも楽器の一部

ロック・ギターはたいていの場合ピックを使った奏法 が使われます。ピックにはいくつか種類がありますが、 普通用いられるのぱフラット・ビッグと呼ばれる板 状のもので・その材質、形、厚さ、硬さなどでさまざま な種類に分けられます。単に“ピックと言えば、こ のフラット・ピックを指します。 ピックの形はのようなものがありますが、一般 的にはティアドロップ型かトライアングル型がよく使わ れています。

ピックの材質・厚さと硬さ

ピックは同じ材質ならば厚みがあるほど硬くなり、音 色はアタックの効いたパワフルなものになります。そ の反面弾力性がなくなる分、速いフレーズは多少弾きに くくなったり、アコースティック・ギターに比べてテン ションが弱いエレキ・ギターの弦では、ピッキングの瞬 間の音程の狂いや、コードがきれいに鳴らないなどの問 題も出て来ます。結局自分の好みや目指すサウンドに よって、使うピックを決めれば良いのですが、それには ある程度の経験が必要でしょう。とりあえずはプラス チックかナイロンのティアドロップまたはトライアング ルで、硬さ(厚さ)はミディアム~ヘヴィ(ハード)と いうものが良いと思われます。

初めての弦の交換

弦交換は必ずやらなければいけない作業ですが、そのやり方は慣 れてしまえば簡単とは言うものの、初めのうちはなかなか大変なも のです。楽器屋さんに頼めぱやってくれますが、やはり弦交換くら いは自分でやるのが一人前のギタリストへの第一歩でしょう。この 章でその方法をしっかりと覚えてしまってください。 “オクターヴ・ピッチというのは、各弦の12フ レットの実音とハーモニクス音の差のことで、これは本 来まったく同じ高さの音でなければいけません。しか し、弦が古くなるとハーモニクス音より実音の方が低く なって来ます。正確にはチューニング・メーターで調 べればわかりますが、耳で聴いて明らかに違うようなら ば、その弦はもう交換時期に来ているということです。 激しいチョーキングなどで、まだ新しい弦が切れたよ うな場合以外は、弦は6本全部を交換してしまう方がベ ターです。 弦を交換してからチューニングするとき音を高くしすぎた(弦を締めす ぎた)場合は、1回少しゆるめてから、もういちど少し ずつ締めていくようにしましょう。そのままゆるめて チューニングすると、後で狂いやすくなります。弦を 糸巻ポールに巻くときは、重なって巻かれることのない ようにしてください。これもチューニングの狂いの原 因になります。 トレモロの調節方法 フェンダー・ストラトキャスターにマウントされてい るシンクロナイズド・トレモロ・ユニットは、多くの他 社製品にも同方式のものが使われているように、トレモ ロ・ユニットのスタンダード的な存在です。フロイド ・ロ-ズ・トレモロ・ユニットも、その基本はシンクロ ナイズド・トレモロと同じと言ってよいでしょう。 弦交換をしたとき、以前と同じメーカーで同じゲージ の弦を使った場合は、まず調整の必要はありません。 違ったゲージやメーカーの弦に交換した場合や、アーミ ングの具合を変えたいときは次のように調整してみまし ょう。スプリングの本数を減らしたり、その掛け方を変えた りすることも可能ですが、それはある程度経験を積んで からの方が無難です。ネジのゆるめすぎにはくれぐれ も注意してください。ネジ穴がこわれて(バカになっ て)しまうことがあります。どうしてもアームの動き を軽くしたいときは、スプリングの本数を1本減らして ください。

オクターヴ・ピッチと弦高の調節は自己責任で!

オクターヴ・ピッチというのは、各弦のロ-・ポジシ ョンとハイ・ポジションでのチューニングのバランスの ことです。これが合っていないと、低いポジションで はチューニングが合っていても、高いポジションになる につれてピッチが合わなくなったり、またはその逆だっ たりして、うまくチューニングできません。弦高(ア クション)はフレットと弦の間の高さ(間隔)のことで、 高過ぎると演奏しにくかったり、押弦によってピッチが 上かってしまうなどの症状が出るし、低過ぎると音がビ リついたりかすれたりすることがあります。 オクターヴ・ピッチの調整は、違うゲージの弦や、違 うメーカーの弦(同一ゲージの場合でも)に張り換えた 場合には必ず行なっておきましょう。同一メーカー、 同一ゲージの弦交換のときは特に調整の必要はありませ んが、初回交換の際は一応行なっておいた方が良いでし ょう。弦交換後のオクターヴ・ピッチの調整は、チュ ーニングが充分に安定してから行なうことがコツです。

弦高の調整法

弦高は演奏者の好みもありますが、一般的にはやや低 目の方が弾きやすいでしょう。弦を強くピッキングし たとき、6弦や5弦が多少ビリついても、エレキ・ギタ ーの場合それほど音に影響は出ません。楽器のタイプ により、写真のような方法で調整してください。目安 としては最終フレット(21・22・24フレット)と弦の間 隔が、1~5弦で2ミリ、6弦で2.5ミリ程度ですが、ギ ターによってはもっと高くしないとビリツキが多くなる ものもあります。

電気系パーツの取り扱い

エレキ・ギターに電気はつきものです。理科の時間に習うような 電気のリクツはともかくとして、現実的、常識的な扱い方は、ギタ リストなら当然知っているべきでしょう。そこで、この章ではギタ ーの電気系統のパーツとその取扱い方について、実用的な知識を書 いておくことにします。 アクティヴ型のピックアップはもちろん、通常のピックアップでも、プ リアンプやコントロール・アンプを組み込んであるギタ ーの場合、電池が消耗すると音がカスレて来たり、変に 歪んだりして、やがてまったく音が出なくなります。 練習時はともかく、大切な本番前には新品の電池に交換 するくらいの慎重さで、常に電池切れに備えておきまし ょう。ギターの出力ジャックが電源の。N/。FF・スイ ッチを兼ねている例が多いので、ギターを使わないとき は必ずシールド・コードのプラグを抜いておくクセをつ けておくと良いでしょう。 電池の極性を間違えて入れると、音が出ないばかりで なく故障の原因にもなります。電池交換のときはよく 極性を確かめて、念のため電源スイッチをOFF(プラグ を抜いた状態)で行ないましょう。古い電池を入れた まま長期間ほおっておくと、電池から液もれが発生して 回路やギターを痛めてしまうことがあるので注意してく ださい。

ピックアップは自分好みに調節できる

ボディにマウントされているピックアップは、簡単にその高さ を調節できます。この高さ調整によって各ピックアップ同士の 音量バランスをとったり、低音弦と高音弦の音量バラン スをとったりできます。基本的に弦とピックアップが近くなる ほど音量は大きくなり、離れるほど小さくなります。 また、太い弦ほど電気的な出力は高く、細い弦ほど出力 は弱くなります。このため、弦高の調整をしたり厂弦 のゲージを変えたときにはピックアップの高さ調整を行なった 方が良い場合もあります。

スイッチやボリュームポットは消耗品?

スイッチ類やボリューム・ポット(音量やトーンの 調節に使われている可変抵抗器)は、長期間の使用のう ちに接触不良を起こすことがよくあります。 スイッチは接点がサビたり、バネが折れたりして、「ガ リッ」というノイズが出たり、最悪の場合音が出なくな ったりすることがあります。このような症状が出たら、 迷わずリペア・ショップで新品と交換してもらうのが得 策です。単なる接点の劣化の場合、市販の接点復活剤 スプレーで一時的には直りますが、完治はしません。 ヴォリューム・ポットを回したとき「カリッ」という ノイズが出たり、一瞬音が途切れるような症状が現われ たら、スイッチと同様交換するのが一番です。応急的 にはコントロール・ノブを何回も回してみましょう。 軽症の場合はこれで結構直るものです。スイッチもポ ットもそう高い値段のパーツではないので、工賃込みで もあまり高額な修理代にはなりません。 ギターの電気系で最も多いトラブルは、出力ジャック のゆるみです。ボディにジャックを固定している六角 ナットがゆるんでしまうため、演奏中に「カリガリ」と ノイズが出たり、ほおっておくと中のリード線が断線し て音が出なくなったりします。

シールドコードにもランクがある

シールド・コードは単なる電線と言ってしまえばそれ までですが、ギターからの電気信号をアンプにロスなく 伝えるという大切な役目を持っています。 アンプのヴォリュームをかなり上げて、シールド・コ ードを床の上で動かしてみてください。このとき「パ チパチ」とか「ザワザワ」といった感じのノイズが発生 するコードは、あまり良い製品ではありません。プラ グ部分も含めて、見た目にもしっかりしたつくりで、あ る程度太さのあるものを選びましょう。 あまり細いコードは特に高音域がロスして抜けの悪い 音になることがあります。また、どんなに良い物を使 っても、コードが長くなるほど高音域は劣化します。 特に通常のシングル・コイル・ピックアップ付のギター を使う人は、シールド・コードに良い製品で、しかも必 要最小限の長さのものを使いましょう。一般的にシー ルド・コードの性能は値段と正比例する傾向にあります。 プラスチックでモールドしたプラグの付いたコード(エ フェクター用の10cm程度の短いものは除く)を使ってい る人は、金属製のプラグの付いたものに換えた方がべ夕 -です。アンプやギタ、からプラグを抜くときは、必ずプラグ 部分を持って抜きます。コードを引っ張って抜くのは 断線の原因になります。コード上に重いものを落とさ ないでください。プラグ(金属製)内部での断線は、 ハンダ付けのできる人なら直せますが、コード内部の断 線はまず不可能なため、その場合は買い換えることにな ります。

無用の分解はトラブルのもと

多少ウデに覚えのある人でも、やたらとギターを分解 するのは考えものです。特に電気系統のパーツに関し ては、それなりに技術のある人もいると思いますが、一 般のものよりも配線処理や部品の取り回しなどで違いが あるので、なるべく専門家にまかせた方が良いでしょう。 特にピックアップやコントロール系がピック・ガードに取り付けられている機種(フェンダー・ストラトキャスターなど)に多いので、やむを得ず分解 するときはなるべく部品や配線に無理な力が加わらない よう、充分気をつけてください。また、分解の途中で 内部の配線などがどういう形で収まっているかを確かめ ながら作業すると良いでしょう。

ギターのお手入れ

日常の手入れや調整(メンテナンス)は、楽器や機械には必要不 可欠な作業です。楽器の場合、ノー・メンテナンスでもある程度の 期間は大丈夫ですが、1年、2年とその楽器を良いコンディション で愛用したいならば、やはりそれなりのメンテナンスをしてあげま しょう。そして、楽器を良い状態に保てるということは弾き易さに つながり、ひいてはテクニックの上達にも役立つのです。 テンションとは弦の張力のことです。同じ高さの音 を出すときヽ、太い弦ほど強い張力を必要とし、細い弦ほ ど張力は弱くて済みます。まだ、弦の太さが同じなら ば、弦長(スケール)が長いほど張力は強くしなければ ならず、短いほど弱い張力で済みます。実際のギター では、ブリッジやナットに弦を圧着させて振動の支点を 確保するため、図1-11のように角度が付けられています。 この角度を急にするとテンションは強くなり、浅くす ると弱くなりますが弱くしすぎると音質や音の伸び(サ ステイン)が悪化します。

演奏後のひと拭きで弦の寿命が延びる

楽器を弾いた後では、弦をはじめとして手の油脂分や 汗などがギター各部に付着していて、これがサビや頑固 な汚れの原因になります。弾いたあとは最低でも乾い た柔かい布で弦やネック、金属部分などを拭いておくク セをつけましょう。さらに次のようなケミカル製品を 使えば万全です。 ピックアップ・クリーナーはピックアップをはじめ、ギター の金属パーツの汚れを落とし、サビを防ぎます。ギタ ー・ワックスはボディなどの木材塗装部分を保護します。 “スーパー・プレストや“スピード・ガズそれに“フ ィンガー・イーズ”などは指板や弦の汚れを落とし、摩 擦を低減することで弾きやすくします。また、弦のサビ を防止します。

楽器の大敵!高温多湿

ギターはたいていの場合木工製品ですから、高温や湿 気によってどうしても狂いが生じます。その狂いが大 きいとネックが反ってしまったり、極端な場合「割れ」 が生じることもあります。ギターを置いておく場所は 暖房器具のそばや、直射日光の当たるところを避けてく ださい。また、長期間ケースに入れて保管するときは、 乾燥剤を入れて、湿気やカビを防いでおきましょう。 ネックにギターの重さが強く掛かるような置き方は良く ありません。 ステージではもちろん便利ですが、自宅でもギター・ スタンドに立て掛けておくと、倒したりする事故も防げ ます。

こんな状態になったら専門家に見てもらおう

ネックの反りはどんなギターでも多少はあるものです。 それがある程度以上にひどくなると、順ソリの場合弦 高が高くなった感じで、ピッチが合わなかったり弾きに くかったりし、逆ソリの場合は弦のビリツキがひどくな ったり、鳴らなくなったりします。こういうときはア ジャスト・ロットをレンチで回して直せる場合もありま すが、リペア・ショップできちんと修正してもらう方が 無難です。また、ネックがねじれることもあり、これ はリペア・ショップでないと直せません。ねじれがひど いときはネックの交換になります。尚、「弦を張ったま ま置いておくと順ソリする」という人もいますが、現在 のエレキ・ギターでは普通のゲージの弦(エキストラ・ ライトやウルトラ・ライト)を張っている限り、まずそ のようなことはありません。チューニングしたままの 状態で置いておく方が、むしろ望ましいでしょう。 この他にもピック・ガードやペグなど、木ネジを使っ ている部分は、木の方のネジ山が崩れてしまうことがあ ります。これは別の木片を埋め込んで、新しくネジ穴 を作ることで修理できますが、テンション・ピン(バー) など力の掛かる部分はプロにまかせた方が安心です。 (c)チューニングやアーミングのとき、ナットのとこころから「ピン」という音が出る。 これはナットのミソの不良です。修正には技術が必 要なので、素人は手を出さないこと。 (d)ヴォリューム・ポットに“ガリ”が出る。 スイッチやコントロール・ノブを操作したときに「ガ リッ」というノイズが出るのは、接点が劣化しているた めです。ピックアップの切換スイッチの場合、多少のノイズは 故障ではありません。接点復活剤スプレーで直すか、 各ヴォリューム・ポットの交換になりますが、どちらに しても分解作業をともなうので、やはりプロにまかせた 方が安全でしょう。 (e)特定のフレットの音がカスレる。 原因はネックの反りやフレットそのものの減りなどに よる不良です。フレットの打ち直しなどの作業が必要 になるので、リペア・ショップへ。 (f)ブリッジ部分がサビついてしまった。 ブリッジ全体の交換または不良パーツの交換や修正に なります。 (g)1弦や4弦が異常に切れやすい 原因はブリッジやナット部のパーツ不良やセッティン グの異常です。プロの診断を受けてみましょう。 (h)ハムやノイズが異常に多い。 内部回路の断線、シールド不良が原因です。これも 専門家の診断を受けるのが近道。

ギターアンプのつまみの役割

アンプには色いろなスイッチやツマミ類が付いていますが、それ らの役割を知って正しく使いこなすことが、良い音を出すための第 一歩と言えるでしょう。 入力ジャックは通常2個(多チャンネル・アンプでは 各チャンネルにつき2個)あって、ギターからシールド ・コードを通って送られて来た電気信号がアンプに入る 入口です。2個あるのはアンプの増幅度の違いで、八 イ・ゲインとロ-・ゲインに分けられているからで、通 常ロックでぱHigh”の方に入力します。

ボリューム

最近はボリュームが2~3個あるのが普通で、とき には4個ある機種もあります。それらのボリューム には色いろな表示のしかたがありますが、一般に“マス ター・ボリューム”は全体の最終的な音量を調節し、 他の“ゲイン”や“プリ”または単に“ボリューム” などと表示されているツマミでは、主に歪み(ティスト ーション)の掛かり具合を調整します。マスター・ボリュームを小さめにして、ゲインなどを上げると、音量は小さくてもギンギンに歪んだサウンドを得られます。

トーン・コントロール

音質を調整するツマミで、普通はバス(低音)、ミドル (中音)、トレブル(高音)の3個に分かれています。 コンパクト・タイプのアンプではバスとトレブルの2個 だけのものもあります。フェンダー社のツイン・リヴ ァーブなどのように、トーン・コントロールのツマミを 全部下げると音が出なくなってしまうアンプもあるので、 気をつけましょう。

ヘッドフォン・ジャック

これは文字通りヘッドフォンをつないで、スピーカー からの音をカットして演奏するための出力ジャックです。 製品によってはこれがラインアウト・シャッターつ まりPA・ミキサーやテープレコーダーなどにつなぐため の出力ジャックを兼用していることもあります。大型 アンプにはたいていの場合ヘッドフォン・ジャックは付 いていません。

電源スイッチ

「Power」と表示されるこのスイッチは、もちろんアン プの電源のON/OFFのためのもの。中にはON”が2 方向ある製品もありますが、これは電源の極性を変える ためで、音を出してみて、よりノイズの少ない方のポジ ションを選んで使います。

スタンバイ・スイッチ

主に真空管式のアンプに付いているスイッチで、電源 を。Nにしていてもこのスイッチを入れていると音は出ま せん。真空管式のアンプはヒーターが熱せられるまで 音が出ないため、演奏前に電源を入れてあたためておき ますが、その間このスイッチで高電圧回路を切っておく ことで、真空管の寿命を伸ばすことが目的です。

ポラリティ・スイッチ(グラウンド・スイッチ)

ポラリティ・スイッチは電源の極性を変えるためのも ので、2方向に。Nとなる電源スイッチと同様の役目をし ます。グラウンド・スイッチも同様のもので、ノイズ の少ない方にして使います。

ブライト・スイッチ

主に高音域を強調して、輝きのあるサウンドを得るた めのスイッチで、他にもプレゼンス・スイッチなど別の 呼び方をされる場合もあります。一種のトーン・コン トロールと考えてよいでしょう。音量を上げると効果 はなくなるのが普通です。

ゲイン(ティストーションorオーバードライヴ)スイッチ

これをONにすると、アンプの中のプリアンプ部の増幅 度が急に上がり、いわゆるオーバードライヴした歪んだ 音が得られます。また、アンプによってはエフェクタ ーの“ティストーション”や“オーバードライヴ”と同 様の回路を作動させている場合もあります。

インピーダンス切換スイッチ

セパレート型のアンプの裏面パネルに付いていること のあるスイッチで、接続するスピーカーのインピーダン ス(16Ω、8Ωなどと表示されている)と合わせたポジ ションにして使います。これを誤って使うと故障の 原因になることがあるので注意してください。

プレゼンス・コントロール

主に高音域を強調するためのツマミで、大きなステー ジなどで威力を発揮します。

イコライザー

トーン・コントロールの一種で、よりキメ細かな音質 調整ができるようになっています。うまく使いこなす とハウリングの対策にもなり、グラフィック・イコライ ザー、パラメトリック・イコライザーなどの種類があり ます。

リヴァーブ

残響音を機械的または電気的に付加する機能で、機種 にもよりますが通常は5以上に上げることはまずありま せん。

フット・スイッチ・ジャック

アンプのチャンネル切換、リヴァーブなどの内蔵エフ ェクトの。N/。FFなどのために使われるフット・スイッ チを接続するジャックです。

アンプの種類を使い分ける

アンプはその大きさと形状から、大きく3つのタイプ に分けられます。アンプ部とスピーカー部が独立し、 大型のセパレート・タイプ(P-66)、アンプとスピーカー はひとつのキャビネットに収められ、中型のビルトイン ・タイプ(P-67)同じくビルトイン・タイプでさらに小 型のコンパクト・タイプとなります。

出力による区分

出力(パワー)はW(ワット)で表示されますが、表 示方法には「実効出力」=W/R.M.S.と「最大瞬間出力」 =W/PEAKの2種類があります。実効出力で30W程度 以下がコンパクト・タイプ、30~100Wがビルトイン・夕 イプ、50~200Wがセパレート・タイプに相当します。 実際に私たちが感じる音量・音圧は、アンプの電気的 出力よりも、むしろスピーカーの能率と有効振動面積に よって左右されます。たとえば、同じ性能のスピーカ ーを使ったふたつのアンプを鳴らした場合、 アンプの出力はAが50W.Bが100WでBの方が2倍大き な音が出ても良さそうなものですが、実際はまったく逆 でAの方が倍以上大きな音が出ます。みなさんが実際 にアンプを選ぶ場合は、単に出力だけではなく、スピー カーの能率(dB=デシベルで表わされ、数字が大きいほ ど能率が高い)や口径、数なども考えて選ぶべきです。 アンプは音が大きければ良いというものではありませ んから、使う目的、場所、必要なサウンドに合ったもの がベストでしょう。一般にセパレート・タイプのアン プはある程度以上の大音量でないと本来のサウンドが得 られません。これに対してビルトイン・タイプはオー ルマイティな使い方ができ、コンパクト・タイプは比較 的小音量で本来の性能が発揮できますが、大きなステー ジなどでは役不足で、サウンドの質も中型や大型のアン プには及びません。

増幅素子による区分

増幅素子には真空管と半導体(トランジスタ、ICなど) の2種類があります。ギター・アンプでは独特のオー バードライヴ・サウンドが求められるため(特にロック の場合)、現在ではほとんど一般の電気製品では使われな くなった真空管を使用したアンプが、根強い人気を保っ ています。このため現在のギター・アンプは半導体を 使ったソリッドステート・タイプ、真空管を使ったチュ ーブ・タイプ、その両方を使ったハイブリッド・タイプ の3つが共存しています。コンパクト・アンプはその スペース的な制約上、ほとんどがソリッドステート・夕 イプですが、中型以上のアンプではハイブリッドやチュ ーブ・タイプのアンプの方が高い評価を得ているようで す。この中のどれを選ぶかは演奏者の好みによるもの で、どれが良い悪いとは言えません。

アンプの使い方のポイント

どんなに良い楽器を上手に弾いても、アンプの使い方が悪ければ 良い音は出せません。また、無理な使い方やちょっとした不注意が アンプの故障のもとになったり、寿命を縮めることになるものです、 気に入ったアンプを最高の状態で長く使うためにも、そしてより良 いサウンドを生み出すためにも、こんな知恵が必要なのです。 アンプは壁に密着させて置いてはいけません。特に 中型以上のアンプはチューブ・タイプはもちろん、ソリ ッドステート・タイプでもかなりの熱を出しますから、 その放熱を妨げないような置き方にしてください。ア ンプの放熱口の上に物を置くのもダメでず。 中型や大型のアンプを部屋のコーナー部分に置くと、 必要以上に低音が出過ぎてボンボン鳴るようなことがあ ります。仕方なくコーナーに置くときはトーン・コン トロールのバスを下げてやるとよいでしょう。

電源コードをコンセントに差し込む。

このとき、アンプの電源スイッチは必ずOFFの状態で 行ないます。電源コードは必ずプラグ部分を持って抜 差しするクセをつけてください。コード部分を持って 引き抜いたりしてはいけません。外国製アンプなどで、 電源電圧の切換スイッチが付いているものでは100V用 のポジションになっていることを一応確認しておきまし ょう。 テーブル・タップなどの延長コード類を使うときは、 なるべく太いコードのしっかりしたものを使います。 特に100W級の出力のアンプを使うときには、普通の細い コードでは充分な性能を発揮できないことがあります。

ギターからのシールド・コードを入力ジャックにつなぐ。

まだ電源スイッチは入れていません。もし電源ONの 状態でシールド・コードを抜差しするときは、必ずアン プのボリュームをゼロに下げるか、スタンバイ・スイ ッチを入れて、アンプから音が出ない状態にして行ない ましよう。これはアンプの回路やスピーカーを保護す るためです。接続のときに「ガリッ」というノイズが 出ない“スイッチ・コード”というシールド・コードも ありますが、これを使った場合でも、やはりボリュー ムを下げて接続する方が万全です。

マスター・ボリュームをゼロにしてから電源スイッチを入れる。

スイッチを入れた瞬間は、特に大きな電流が流れます。 アンプにとって一番「危険な瞬間」なので、接続の間 違いなどのないことを確認してからスイッチを入れてく ださい。特にソリッドステート・アンプの場合、スピ ーカーに大電力が流れて、内部のボイス・コイルが焼 き切れてしまうことがあるので注意しましょう。

音量・音色を決める。

実際に楽器を弾きながらマスター・ボリュームを上 げて音量を決め、ゲイン・ヴォリュームやトーン・コン トロールなどで歪み方、音質などを好みのものに調整し ます。いきなりボリュームをフル・アップにするの は好ましくありません。また、チューブ・アンプの場 合、電源スイッチを入れてから完全にアンプが働くまで にはかなりの時間がかかります。大事な本番などでは、 少なくとも10分以上前にスイッチを入れておき、スタン バイ・スイッチを使って音を止めた状態でアンプをウォ ーム・アップしておきましょう。音決めはウォーム・ アップを充分してから最終的な調整をします。ソリッ ドステート・アンプでも、電源。Nの直後は本来のサウン ドにならないことがあります。

音作りのコツ

2ボリューム・タイプでは、マスター・ボリュー ムで音量を設定し、ゲイン・ヴォリュームで歪みの量を 加減します。 3ボリューム・タイプではマスター・ボリューム の役割は同じですが、2個の他のヴォリュームをうまく 上下することで、歪み方のニュアンスをより細かく調節 することができます。2ボリュームでも3ボリュ ームでも、ティストーション系のエフェクターを併用す るときは、それを計算に入れてゲイン系のヴォリューム はあまり上げすぎないようにします。好みの問題もあ りますが、極端に歪ませ過ぎると音のツブ立ちが悪くな り、何を弾いているのかわからないプレイになってしま います。

トーン・コントロール

ギター・アンプのトーン・コントロールは必ずしも“5” の位置が中心とは限りません。そこで、まずバス・ミ ドル・トレブルともに“10”にセットして、それから好 みによって下げて行くという方法がベターでしょう。 スピーカーから5メートルくらい離れて弾いてみて、も ういちど調節すると完全です。特に大きなステージの ときは、普通よりも少し高音を強調したセッティングに するとよいでしょう。プレゼンス・コントロールを使 うのもそういう場合です。

イコライザー

グラフィック・イコライザーの場合はセンター位置が 基準になります。トーン・コントロールだけでは不充 分な細かい調節を、補助的に行なうつもりで使ってくだ さい。トーン・コントロールだけで充分だと感じたら、 全部フラットにするか、イコライザーのOFFスイッチ を入れましょう。 パラメトリック・イコライザーは、変化させる音の周 波数帯や変化のカーブを自由に設定できるイコライザー です。ギター・アンプに付いている場合は2バンド式 が多く、低音域と高音域それぞれを調整できます。パ ラメトリック・イコライザーはその音色の変化が非常に 大きいため、慣れるまでは徹底的に実験をくり返して要 領を覚えることが大切です。尚、変化カーブの設定ツ マミは省略されて、中心周波数と補正量のコントロール のみになっているタイプも多いようです。

リヴァーブ

リヴァーブが内蔵されているアンプの場合、状況にも よりますがほんの少しリヴァーブを効かせた方が、実際 のプレイでは効果的です。特にリヴァーブ感を加えた い場合以外は「もしかするとリヴァーブが掛かっている のかな?」という程度にするのがコツでしょう。アン プや音量にもよりますが、1~3くらいがひとつの目安 です。

メカに衝撃は禁物

アンプにしてもギターやエフェクター類にしても、落 としたり乱暴に運んでぶつけたりすれば当然コワレるこ とがあります。そのときは大丈夫でも後で影響が出て 来ることもあるので注意してください。練習スタジオ やステージでよくあるトラブルに、シールド・コードや 電源コードの上に重い物を落としたり、足でつまづいて しまったりということがあります。

スピーカーの保護ネット

大型アンプの場合、スピーカーの保護ネットを取りは ずせるものがあります。特に金属製のネットははずし た方が音の「クセ」がなくなることもあるので、試して みる価値はあります。ただし、どんな場合でもスピー カーに手で触れたり、押してみたりなどということはや めましょう。

飲み物、汗に注意

電気製品に水気は大敵です。アンプの上に飲み物の 缶などを置くのはやめましょう。チューブ・アンプの 場合、特に汗で濡れた手で操作するのは危険です。ポ ラリティ(グラウンド)のスイッチを正しく活用すれば、 感電事故防止にも役立ちます。

エフェクターの音量レベル

エフェクターを通してアンプに入力するときは、各エ フェクターのゲイン(レベル)にも気をつけましよう。 エフェクター段階で変な歪みが出たり、アンプのヴォ リュームを下げても音が歪むのはゲインの上げすぎです。 電源スイッチのOFFはボリュームを下げて から 電源スイッチを切るときも、マスター・ボリューム を下げておいてからにするクセをつけましょう。

改造・故障修理はプロの手で

アンプの改造・修理は、信頼できるプロにまかせるべ きです。自分でもできそうだと思えるものでも、素人 細工は大ケガのもとです。

使う場所に合った音量で

狭いスタジオや自宅での練習では、たとえコンパクト ・タイプのアンプでもフル・パワーにできるものではあ りません。逆に大きなスタジオやステージでは当然そ れに見合った音量がないと、充実した演奏にはならない でしょう。特に他のメンバーと合わせるバンドとして の練習のときは、音量の調節を上手に行なう必要があり ます。また、個人練習のときは普通はやや小さめの音 量で、ピッキングのタッチなどがよくわかるようにして やり、ときどきは大音量でやってみて、音の変わり方の 感じを掴むという方法が良いでしょう。

エフェクターについて

世の中にやたらとたくさん出回っているように思えるエフェクタ ーですが、そのもとをただせぱ、大きく4つの系統に分類できます。 これを把握しておけば、色いろなエフェクターを扱うときに迷わな くてすむでしょう。また、「同じようなエフェクターを2個買ってし まった」などという笑えない失敗も防げます。 エフェクターというのは和製英語ですが、要するにギ ターの本来の音に何らかの変化を与える電気的なアタッ チメントのことです。ギター本来の音、それをアンプ でオーバードライヴして歪ませた音(ティストーション ・サウンド)は、それ自体立派に楽器として魅力的な音 ですから、それらがしっかりしていればエフェクターは 絶対必要なものではありません。しかし、より多彩な 音色を出したいと思うと、ギターやアンプだけの調整で はとても足りないことになります。また、特に音色の 変化をねらうのではなく、ギターらしいサウンドをより しっかりと作り出すためのエフェクターも多く存在しま す。敢えて結論を言うと、エフェクターはどうしても必要 なものではありません。特にギターの練習段階では、 むしろ邪魔な物だと言えます。ただ、いよいよバンド で活動を始めるとなると、やはりある程度のエフェクタ ーは持っていた方が便利だし、上手に使いこなせばそれ だけの「良い音」も得られるはずです。ビギナーの場 合、組み合わせて使うエフェクターの数は3~4悃が限 度で、それ以上あっても使いこなせないどころか、かえ ってノイズや音質の劣化の原因になります。

周波数特性を変えるもの

楽器などの音は、たとえばA=440Hzの音であっても、 それ以外の周波数の音も幅広く含んでいます。これら の音の帯のうち、高い方を強めると音質は鋭くなり、低 い方を強めるとまろやかな感じになります。つまりア ンプなどのトーン・コントロールと同類と考えるとよい でしょう。

いろいろなエフェクター

グラフィック・イコライザーは調整できる周波数帯域 (バンド)を細かく分けたもので、バンド数が多いものほ ど精密なコントロールができます。ワウ・ペダルはあ る周波数を強調するもので、その周波数をペダルで移動 させることで、「ワウワウ…」といったニュアンスの効 果を出すエフェクターです。エキサイターは何らかの 方法で原音の周波数特性(主に中・高音域)を補整して、 サウンドを浮き立たせるエフェクターです。ブースタ ーはその名のとおり、高音または低音を増強(ブースト) します。オート・ワウはペダルを踏まなくても自動的 に変化するワウのことです。 サスティナーやコンパンダーと呼ばれているものは、 コンプレッサーの機能にプラスして、音量があるレベル まで低下すると、逆にそれを増幅してやって、サステイ ン効果を長くするエフェクターです。ティストーショ ンやオーバードライヴはコンプレッサー機能に加えて、 電気的に波形を歪ませることで、独特の伸びのあるティ ストーション・サウンドを生み出します。ノイズ・ゲ ートはある一定レベル以下の信号には門(ゲート)を閉 じて通さないようにするもので、これによって演奏して いない時の誘導ノイズや他のエフェクターの残留ノイズ をカットすることができます。サンプラーは原音をデジタル・レコーディングしてし まい、必要な時に必要なだけ取り出せるエフェクターで す。リヴァーブはデジタル式とスプリング式などがあ りますが、エフェクターとして単体で使われるのはデジ タル弍で、ホールのような残響効果を生み出します。 単純なこだまではなく、もっと複雑に入り組んだディレ イと考えるとよいでしょう。ピッチ・シフターは原音 のピッチを変換一つまり音の高さを自由に変化させる ことができるエフェクターで、デジタル化されたディレ イ音を電気的に処理することでこの効果が得られます。 コーラスとフランジャーは似たようなエフェクターで、 シングルやリピートのディレイ音にモジュレイション(信 号の周期を変化させること)を加えたものを原音とミッ クスして、ある種のウネリを生み出すエフェクターです。 コーラスはその名のとおりまるで2本の楽器がユニゾ ンでプレイしているような効果を出し、フランジャーは ジェット機の音のようなサウンドを生み出します。フ ェイザーは位相変化させた音(一種のディレイ音)を原 音とミックスさせて、空間的な拡がりと音の回転感を出 すエフェクターです。

エフェクター、デジタルとアナログ

最近のエフェクターはどんどんデジタル化か進んで来 て、デジタル技術がなければ不可能に近かったエフェク ターが出現したり、従来のアナログ・タイプのエフェク ターをはるかにスペック上で上まわる性能を持った製品 が増えています。では、このデジタルとかアナログと かいうのはいったい何のことなのでしょうか?それを 知らないと、むやみにデジタル製品をありがたがったり、 逆に妙にアナログにこだわったりして、結局自分の望む サウンドを得ることができないでしょう。最初に断わ っておきたいのは、デジタルだろうがアナログだろうが、 結局は自分の好みと使いこなし方が問題なのであって、 どちらが良いとか悪いとかいう議論は無意味だというこ とです。 デジタルとアナログは前記のような直接的な意味を持っ ています。たとえば、本来世の中の物質、時間などの 現実は、すべてアナログです。ギターなどの音も、そ れを電流に変えた信号も、すべて時間の流れの中で連続 的に変化していくものです。 これをある瞬間ごとに(単位時間ごとに)数値価して 記録しようというのがデジタルの考え方です。たとえ ば私たちは何の疑間もなく1秒・2秒・3秒などと数え ていますが、実際にはその間も時間は常に流れていますし、 1秒の次は2秒というのは私たちが勝手に区切っ て数値化しているのであって、その問の1秒間の中には、 無限の「瞬間」というものがあるはずです。アナログ の信号の場合はこれが生きていますが、デジタル化しよ うと思うとその「1秒間」をなるべく細かく分けて(単 位時間を小さくとって)その瞬間ごとの信号を数値化す ることになります。

デジタル化のメリット

デジタル化された信号は、アナログ信号に比べると非 常に単純な形になります。アナログ信号はどうしても 高い周波数や低い周波数で歪みが発生して、原音と変わ ってしまうことは避けられません。ところがデジタル 信号は単純なだけにほとんど歪みが起きず、万一発生し ても簡単に補正することができます。また、電気回路 にはつきもののノイズも、原音に含まれているもの以外 は原理的に関係しません。このためノイズや歪みの心 配なしに、複雑な電子回路を通して処理できるのが第1 のメリットです。第2のメリットは連続的な信号では ないために、メモリー回路に記憶させておいて、後でそ れを取り出して組み立てることができるということです。

デジタル・エフェクターの特色

前述のようなデジタル化のメリットによって、デジタ ル・エフェクターはその機能面ではもちろんのこと、性 能面でも次のような特長を持っています。 たとえばディレイの場合、アナログよりもデジタルの方がはるかに長いディレイ・夕 イムやリピート・ディレイが可能になっているわけです。 しかし、だからといってアナログがまったくダメかと いうとそうでもありません。たとえスペックはどうで あっても、私たちの耳が「良い音」と感じた方が「良い 音」なのであって、現段階では必ずしもデジタル万能と はなっていません。ただ、今後はますますエフェクタ ーのデジタル化は進み、アンプも近い将来デジタライズ されたものが増えることでしょう。

エフェクターの使い方の決め手

実際にエフェクターを使うには、ます説明書をよく読むことです。 そこにはそれぞれのエフェクターの使い方が必ず書いてあるはずで す。でも、たとえば2個、3個とエフェクターを使うときはどうす ればいいのでしょうか。ここではそういった説明書だけではわから ない、実戦向きの使いこなしのテクニックを紹介しましょう。 エフェクターは前にも書いたように絶対になくてはな らないものではありません。しかし、自分の目指す音 楽やサウンドによって、やはり必要と思われるものが出 て来るのも事実です。ロックの場合、まず手始めとし ては次のようなエフェクターを揃えると良いでしょう。 アンプやギターにもよりますが、特に小音量のときの ティストーション・サウンドは、アンプだけで出すより もエフェクターを使った方が良いようです。またヘヴ ィ・メタルやハード・ロックでは強力なティストーショ ン・サウンドを得るために、アンプでも歪ませた上にテ ィストーションなどを掛けることもあります。

デジタル・ディレイ

ディレイ効果はどのようなジャンルの音楽でも威力を 発揮します。また、ティストーション・サウンドによ り厚味を持たせるために、ごく短いディレイ・タイムの シングル・ディレイ音を加えて出すのも効果的です。 この他デジタル・ディレイはコーラスやプランジャー的 な使い方のできるものもあるので、利用範囲の広いエフ ェクターです。 原則はどうであっても、エフェクターを本当に使いこ なしたいのならば自分であれこれと実験してみるのが一 番です。そうしているうちに、実感としていろいろな ことがわかってくるものです。接続順を間違えたから といって、エフェクターやアンプがコワレてしまうよう なことはまずないので、思いっきり遊んでみるのも面白 いでしょう。

ゲインに注意

多数のエフェクターを使うときは、その順序だけでは なく、各エフェクターのゲイン(レベル)の設定にも気 をつけないといけません。本来音を歪ませるエフェク ターではないイコライザーやディレイなどに過大な入力 があると、非常にきたない歪みが出ます。このため、 高級なエフェクターには入力レベル・メーターやオーバ ーロード・インジヶ-ターが付いていて、過大な入力を チェックできるようになっているのが普通です。 ビギナーはコンパクト・タイプのエフェクターから エフェクターにぱラックマウント・タイプ”と呼ば れる大型で高級なものと、“コンパクト・タイプ”と呼ば れる一般用の小型のものがあります。もちろん性能的 にはラックマウント型の方がたいていの場合優れていま すが、値段がいきなり高いことと、操作や結線がやや複 雑なことが、初心者にとってはマイナス・ポイントにな ります。それよりも、比較的接続や操作が簡単で値段 も安いコンパクト・タイプのものを色いろと試しながら 使って、自分流の使い方をマスターしてしまう方が何倍 も得ではないでしょうか。また、現在デジタル系のラ ックマウント・タイプのエフェクターは日進月歩で性能 アップと値段の低下が進んでいます。プロはとりあえ ずその時点での最高のものを使うことが多くなりますが、 アマチュアの場合無理して高価な製品を買っても、半年 もたたないうちにもっと安くて性能の良いものが出ると いった具合で、悔しい思いをすることになりかねません。 コンパクト・タイプのエフェクターを2台以上使うな らば、パワー・サプライも加えてシステム・ボードにセ ットした方が使いやすく、持ち運びにも便利です。各 メーカーから専用またはユニバーサル(他のメーカーの エフェクターも組み込める)型のシステム・ボードが発 売されているので、それを使ってもいいし、自分で適当 なボードや小型のトランクなどを加工して作ってもかま いませんエフェクター間の配線は、コンパクト・タイプ でもラックマウント・タイプでも、必要最低限の長さに するのが鉄則です。エフェクター専用の短いコードを売 っているので、なるべくそれを使うようにしましょう。ラ ックやボードにエフェクターをマウントするときは、な るべく信号が流れる順序に従って並べるようにすると、 配線も短かくてシンプルになります。 パワー・サプライを使う場合、DC側のジャックの極性 に注意する必要があります。同一メーカーのエフェク ターで、そのメーカーのパワー・サプライを使う場合は 問題ありませんが、異なったメーカーのエフェクターを 混ぜて使うときは、そのエフェクターの外部電源用のジ ャックの極性表示をチェックしてください。 もし極性が違うようならば電源用のコードの配線を逆 にするか、もう1台極性の合ったパワー・サプライを使 うことになります。極性を間違えて使うとエフェクタ ーが壊れてしまうので、自信のない人は楽器店に相談 してみてください。